出典：https://www.hptcj.or.jp/index/newsrelease/tabid/2330/Default.aspx

ヒートポンプシステムと定置用蓄電システムを対象に、脱炭素技術としての経済波及効果やサプライチェーン構造、コスト構造の比較分析を行っています。以下に概要をまとめます：

調査の背景・目的

1. 背景：
   • 我が国のGX（グリーントランスフォーメーション）政策に基づき、脱炭素技術への投資が推進されている。
   • ヒートポンプ技術は国内シェアが高く、投資による国内経済効果が大きいと考えられる。
   • 他の技術（太陽電池など）で資金が海外流出した事例を教訓に、国内産業競争力の強化が求められる。
2. 目的：
   • ヒートポンプシステムと定置用蓄電システムの経済波及効果を分析。
   • 技術の国内調達比率、コスト構造を比較し、ヒートポンプ技術の優位性を示す。

調査概要

• 対象技術：
  • ヒートポンプシステム：家庭用エコキュート、業務用、産業用。
  • 定置用蓄電システム：家庭用、業務・産業用。
• 分析手法：
  • 各システムのサプライチェーン構造を調査し、国内調達比率と経済波及効果を試算。

調査結果

1. 経済波及効果：
   • ヒートポンプシステムの累積コストに対する経済波及効果は2.0倍（生産誘発額）、1.1倍（粗付加価値誘発額）。
   • 定置用蓄電システムはそれぞれ1.2倍、0.6倍に留まる。
2. 国内生産比率：
   • ヒートポンプシステムは100%（主要メーカーは国内工場で生産）。
   • 定置用蓄電システムは家庭用89%、業務用47%。
3. 雇用創出：
   • ヒートポンプシステムによる雇用創出は62.3万人。
   • 定置用蓄電システムは13.4万人。

考察

• ヒートポンプ技術の優位性は以下によるもの：
  • 国内生産率が高く、資金が国内に還流。
  • 施工・工事の波及効果が大きい。
• 今後のGX政策において、ヒートポンプ技術のさらなる位置付け向上が期待される。