COP29について、温暖化対策で先進国から発展途上国向けに拠出する「気候資金」について、2035年までに少なくとも年3000億ドル(約46兆4000億円)に増やすことで合意。米国のパリ協定からの離脱が確実視される中で、大きな進歩だと思います。
これを機に、世界が協力して大きな課題に立ち向かった具体的な事例をいくつか整理したうえで前向きに取り組んでいきたいと思います。:
1. オゾン層の保護 (モントリオール議定書)
背景:
1970年代、オゾン層がフロンガス(CFCs)などによって破壊され、紫外線の増加が地球環境や人間の健康に深刻な影響を及ぼすことが判明しました。
取り組み:
1987年に「モントリオール議定書」が採択され、フロンガスの製造や使用を段階的に削減する取り組みが世界的に行われました。
成果:
この協定は非常に成功し、オゾン層の回復が観測されるようになりました。現在でもその効果は続いており、地球規模での協力の成功例として知られています。
2. エイズ(HIV/AIDS)対策
背景:
1980年代、エイズは世界中で猛威を振るい、多くの命を奪いました。当初は治療法がなく、社会的な偏見も問題でした。
取り組み:
国連が中心となり、「国連エイズ計画(UNAIDS)」が1996年に設立され、治療薬の普及、啓発活動、感染者支援が進められました。また、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)などの国際的な資金提供プログラムも設立されました。
成果:
治療薬(抗レトロウイルス療法)の普及により、エイズの致死率が劇的に減少しました。また、新規感染者の数も徐々に減少しています。
3. 気候変動対策(パリ協定)
背景:
地球温暖化が進み、異常気象や生態系の破壊など、地球規模の問題が顕著化しています。
取り組み:
2015年、約200カ国が参加した「パリ協定」が締結され、温室効果ガスの削減目標や気候変動対策への国際協力が進められています。各国が自主的に削減目標を設定し、その達成に向けた努力を行う枠組みです。
課題と進展:
取り組みは進んでいるものの、温室効果ガス削減の目標達成にはまだ多くの課題があります。ただし、再生可能エネルギーの普及や国際的な資金支援など、一定の進展も見られます。
4. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック
背景:
2020年初頭に広がった新型コロナウイルスは、全世界で健康、経済、社会に大きな影響を及ぼしました。
取り組み:
- ワクチン開発: 多国籍企業や研究機関が協力し、わずか1年でワクチンを開発。
- COVAX: ワクチンを公平に配布するため、WHO、GAVI、CEPIが主導して設立されたプログラム。
- 情報共有: WHOがパンデミックの情報を共有し、各国が対策を強化。
成果と課題:
迅速なワクチン開発と配布により、多くの命が救われました。ただし、国や地域間の格差が課題として残っています。
これらの事例は、国際社会が協力することで、地球規模の問題に対処できることを示しています。一方で、さらなる協力や資金提供、持続的な取り組みが必要な場合も多いです。
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