2024年3月27日に発表された国際再生可能エネルギー機関(IRENA)による2023年の再エネ統計。
<累計導入量>
23年末時点の世界の再エネ導入量、3,870GW。うち、太陽光が最大割合を占める37%の1,419GW。それ次ぐのが水力と風力で、それぞれ1,268GW、1,017GW。その他、はバイオ150GW、地熱15GW、海0.5GW。
エネルギー源別の世界の累計再エネ導入割合(2023年末時点)
<2023年単年再エネ導入量>
2023年単体での導入量でみると、2023年は前年比+13.9%の473GW。太陽光が最大を占め、過去最大の346GW(前年比+32.2%)。次いで風力116GW(同+12.9%)、水力7.0GW(同+0.6%)、バイオ4.4GW(+3.0%)、地熱0.2GW。太陽光と風力の導入が再エネ導入全体のほぼすべてを占め、両者合計で2023年再エネ導入量の97.6%を占める。導入量の絶対値でも、前年比での伸び率でも過去最高を更新。
<地域別の累計再エネ導入容量>
2023年の単年導入量はアジアが69.3%を占め、再度、全世界で最大。導入容量は+327.8GWで、累計1,961GWとし、累計導入容量で全世界の50.7%を占める。大半が中国での導入(+297.6GW)が占める。欧州、北米での単年導入容量はそれぞれ71.2GW(+10.0%)、34.9GW(+7.0%)。アフリカでは+2.7GW(+4.6%)となり、引き続き導入が進んでいる。オセアニアは+5.5GW(+9.4%)で、大半がオーストラリアが占める。南米では上昇基調が継続し、+22.4GW(+8.4%)。中東も過去最大の導入容量を記録し、+5.1GW(+16.6%)
<G7、G20での再エネ導入容量>
EUを除くG7の再エネ導入容量は980GWで世界の累計導入容量の25.3%を占める。G20(EUとAUを除く)では3,084GWで世界の累計導入容量の79.7%を占める。2023年の単年再エネ導入容量は、それぞれ、14.7%、87.2%を占める。
<技術別のハイライト>
・太陽光:太陽光発電技術が太陽エネルギーの導入容量のほぼすべてを占め、346GWのうち、345.5GW。0.3GWが集光型太陽光発電。アジアでの2023年の導入容量が+237.7GW(前年は+110.7GW)。91.2%が中国(+216.9GW)で、インドが+9.7GW。日本も+4.0GWとなったが、前年より導入量は若干減少。アジア外だと、米国が+24.8GW。ドイツとブラジルが、それぞれ+14.3GW、+11.9GW。
・水力:近年、水力の導入容量は低水準で、2023年は+7 GW。最大を占めるのが中国。他に0.5GW以上を導入したのはオーストラリア、ナイジェリア、コロンビア。
・風力:2023年の導入容量は+116GWとなり、過去10年で最大の導入容量。中国が約3分の2を占める+75.9GWで、米国が+6.3GW。それ以外を占めるのは、ブラジル、インド、カナダと一握りの欧州国。洋上風力が再エネ全体の1.9%、風力全体の7.1%を占める。
・バイオ:2023年の導入容量の拡大幅は前年比で縮小し、2022年の+6.4GWと比べて、+4.4GWとなった。中国では+1.9GW、日本+1.0GW、ブラジル+0.4GW、ウルグアイ+0.3GW。
・地熱:若干増加。導入量が増えたのはインドネシア+58MW、ケニア+35MW、チリ+32MW。
・オフグリッド:2023年は+4.6%の+0.6GW増加し、12.7GW(ユーラシア、ヨーロッパ、北米を除く)。太陽光が+0.4GWで5.0GWに。水力は2022年とほぼ同値にとどまり、それ以外の導入は各種バイオ。
<全発電容量の追加に対する再エネの割合>
2023年の再エネ導入容量の増加は2022年と比べて大幅に上回る。前年と同様、大半の再エネ拡大は中国で起こっている。ただ、他の国でも2022年と比べて、再エネ導入容量拡大はみられる。
2023年の新規発電容量追加の内、再エネは86%を占め、2022年の84%を上回る。累計の再エネの発電容量についても、2023年末時点で43.2%となり、前年の40.4%から約3%ポイント上昇。
再エネ比率の上昇傾向は再エネの急速な拡大と、非再エネ電源の新規導入の減少傾向を示している。ただし、COP28で採択された2030年までに再エネ導入容量を3倍にし、11,000GWとする目標の達成にはより多くの施策の実施が必要。
<出典>
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