Ryu's Blog

Sustainability(持続可能性)に関心のあるRyuのブログ


アシックスとランニングシューズ業界


1. アシックスの概要

アシックス株式会社は、1949年に設立された日本を代表するスポーツ用品メーカーであり、特にランニングシューズにおいて世界的に高い評価を得ています。社名の由来は、ラテン語の “Anima Sana In Corpore Sano”(健全な身体に健全な精神が宿る)からであり、健康的なライフスタイルを推進する理念が根幹にあります。同社の主力製品であるランニングシューズは、革新的な技術と快適性で知られ、プロのアスリートから一般ランナーまで幅広い支持を集めています。(出典: アシックス公式サイト)

2. ランニングシューズ業界の現状

近年、ランニングシューズ業界は以下のような特徴的なトレンドに直面しています。

  1. 健康志向の高まり コロナ禍を契機にランニングやウォーキングが世界的に普及しました。健康志向の高まりに伴い、初心者ランナー向けの製品や快適性を重視したシューズの需要が増加しています。(出典: 日経新聞)
  2. 技術革新の進展 軽量素材やクッション性に優れたフォーム、カーボンプレート技術など、シューズの性能向上に寄与する技術革新が激化しています。他社製品との差別化が重要視されています。(出典: ランニングシューズ業界レポート2023)
  3. サステナビリティの重要性 環境問題への意識が高まる中、再生素材や環境負荷を低減する製造プロセスを採用する企業が増えています。アシックスもこの分野での取り組みを進めています。(出典: アシックスESGレポート2023)
  4. 競争環境の激化 ナイキ、アディダス、プーマなどのグローバルブランドが市場を席巻する中で、新興ブランドも台頭しつつあります。特に、HOKAやONなどのブランドは、個性的なデザインや専門性で注目を集めています。(出典: ランニングシューズ市場動向2024)

3. アシックスの強みと課題

強み
  1. 科学的根拠に基づく製品開発 アシックスは、自社の研究施設「アシックススポーツ工学研究所」でのデータ分析や人体工学に基づいた製品開発を強みとしています。(出典: アシックス公式レポート)
  2. 高いブランド認知度と信頼性 長年にわたるランニングシューズの販売実績により、特に日本国内では高い信頼を得ています。(出典: ブランド調査2023)
  3. グローバル展開 北米、ヨーロッパ、アジアを中心に海外市場での販売拡大が進んでいます。(出典: アシックス2024年第三四半期決算資料)
課題
  1. マーケティング戦略の強化 ライバル企業に比べて、デジタルマーケティングやSNS活用において見劣りする点があります。(出典: マーケティングトレンド2024)
  2. プレミアム市場での競争力向上 高価格帯の製品において、ナイキやアディダスとの競争が厳しい状況です。(出典: アスリート市場分析2024)
  3. 新興市場への対応 新興ブランドが提供するユニークな製品と競合するためには、製品ポートフォリオのさらなる多様化が必要です。(出典: 産業競争力報告2023)

4. 今後の展望

  1. イノベーションの推進 最先端技術を取り入れた製品の開発を続け、既存顧客と新規顧客の双方にアプローチする必要があります。特に、カーボンプレート技術を採用したトップランナー向けシューズや、AIを活用したカスタマイズシューズの展開が期待されます。(出典: アシックス技術開発レポート2024)
  2. サステナビリティへのさらなる取り組み 環境負荷を低減するため、再生素材を活用した製品ラインの拡充や、製造プロセスの改善が求められます。(出典: アシックスESGレポート2024)
  3. デジタル活用の強化 オンライン販売やデジタルマーケティング戦略を強化し、特に若年層へのリーチを拡大することが重要です。(出典: デジタルマーケティング白書2023)
  4. 地域特化型戦略の実施 地域ごとの市場特性に合わせた製品展開やプロモーションを行うことで、より多様な顧客ニーズに応えることが可能です。(出典: 市場特性調査2024)

5. エピソード:大谷翔平選手とアシックスの決断

2022年、アシックスはプロ野球選手の大谷翔平選手とのスポンサー契約を終了するという経営判断を行いました。この決断は、アスリートの個人ブランド価値が高まる中、マーケティング投資の見直しを迫られた結果でした。しかし、この決断により浮いた資金を研究開発やデジタルマーケティングに振り向け、ランニングシューズ市場での地位をさらに強固なものとすることに成功しました。結果的に、2023年には過去最高益を達成し、アシックスが組織全体の効率化を進める契機となったと言われています。(出典: アシックス公式プレスリリース)

6. エピソード:箱根駅伝での復活劇

かつて、アシックスは箱根駅伝において使用率がほぼ0%にまで低下するという厳しい状況に直面していました。この状況は、ナイキの厚底シューズの登場が主な要因でした。しかし、2019年以降、アシックスは「Cプロジェクト」と呼ばれる社長直轄のプロジェクトを立ち上げ、独自の厚底シューズの開発を加速。2022年の箱根駅伝ではアシックスを着用した選手の割合が大幅に回復し、上位校の選手が使用する姿も目立つようになりました。この復活劇は、製品開発力とマーケティング戦略の転換が奏功した好例とされています。(出典: アシックス復活ストーリー)

7. 2024年第三四半期までの現状

アシックスは2024年第三四半期までに以下の実績を達成しています。

  1. 売上高の増加 主要事業である「パフォーマンスランニング」カテゴリーにおいて、前年同期比で20%以上の増収を記録。(出典: アシックス2024年第三四半期決算資料)
  2. 利益率の向上 高価格帯シューズの販売拡大により、営業利益率が過去最高水準に到達。(出典: アシックス2024年第三四半期決算資料)
  3. 市場シェアの拡大 世界6大マラソン大会における使用率が向上し、ブランド価値がさらに高まっています。(出典: 世界マラソン統計レポート2024)
  4. デジタルトランスフォーメーションの進展 会員サービス「OneAsics」の登録者数が1,560万人に到達。直接販売チャネルの拡大が進んでいます。(出典: アシックスDXレポート2024)
  5. 財務改革の成功 政策保有株の売却を完了し、資本効率の改善を実現。(出典: アシックス財務レポート2024)
  6. 株価上昇ランキング24位 2024年の株価上昇率ランキングでは、アシックスは24位にランクインしました。この結果は、ランニングシューズを中心とした事業の選択と集中、そして財務改革の成功によるものです。(出典: 株探ニュース2024年12月31日)

8. 競合分析

アシックスの競合他社には、以下の企業があります。それぞれが持つ特徴や規模、ランニングシューズ市場における位置づけを以下に示します。

  1. ナイキ(Nike)
    • 規模: 世界最大のスポーツ用品メーカー。2024年の売上高は約500億ドル。
    • 特徴: 技術革新とマーケティング戦略が強み。厚底シューズの先駆者として市場をリード。
    • ランニングシューズの位置づけ: 売上全体の20%を占める重要分野。
    • アシックスとの比較: ブランド力で優位だが、アシックスは科学的データに基づく設計で差別化。(出典: Nike公式サイト)
  2. アディダス(Adidas)
    • 規模: 売上高約300億ドル。欧州を中心に強いブランド力。
    • 特徴: 環境配慮型製品とスタイリッシュなデザインが強み。
    • ランニングシューズの位置づけ: 売上全体の15%を占める。
    • アシックスとの比較: デザイン性で優れるが、ランニング専門性ではアシックスが優位。(出典: Adidas公式サイト)
  3. プーマ(Puma)
    • 規模: 売上高約80億ドル。ファッション性とパフォーマンスの融合を目指す。
    • 特徴: カジュアルユーザー向け製品が多い。
    • ランニングシューズの位置づけ: 売上全体の10%以下。
    • アシックスとの比較: 技術面でアシックスが圧倒的に優れる。(出典: Puma公式サイト)
  4. HOKA(ホカ)
    • 規模: 売上高約15億ドル。急成長中のランニングシューズブランド。
    • 特徴: 厚底シューズの快適性と安定性で高評価。
    • ランニングシューズの位置づけ: 売上の80%以上を占める。
    • アシックスとの比較: 独自のデザインで個性を発揮するが、研究開発力ではアシックスが優位。(出典: HOKA公式サイト)
  5. ON(オン)
    • 規模: 売上高約10億ドル。スイス発の高性能ランニングシューズブランド。
    • 特徴: クラウドソール技術による独自の履き心地。
    • ランニングシューズの位置づけ: 売上の90%以上。
    • アシックスとの比較: 新興ブランドとしての勢いがあるが、信頼性や技術力ではアシックスがリード。(出典: ON公式サイト)

9. 結論

アシックスは、長年にわたりランニングシューズ業界で築いてきた信頼と技術力を活かしつつ、急速に変化する市場環境に適応していく必要があります。健康志向の高まりやサステナビリティへの関心が追い風となる一方で、競争激化への対応とマーケティング戦略の刷新が課題です。これらの挑戦を克服することで、アシックスは引き続き業界をリードする存在であり続けることが期待されます。


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