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昆虫食の沿革と概要:食用コオロギを中心に


昆虫食は人類の歴史に深く根ざした食文化であり、現代においてもその重要性が再認識されています。特に、食用コオロギ(クリケット)は、栄養価が高く環境負荷が低いことから、持続可能な食品として注目されています。本記事では、昆虫食の歴史、概要、そして日本および世界の食用コオロギ関連企業の具体例について詳しく紹介します。


昆虫食の歴史

昆虫を食材として利用する文化は、古代から存在しています。世界中で2,000種以上の昆虫が食用として認識されており、特に熱帯地域では一般的です。昆虫食の歴史を簡単にたどると、以下のような特徴があります。

  1. 古代文明と昆虫食
    • 中南米のアステカ文明では、バッタや幼虫が重要なタンパク源でした。
    • アフリカの多くの地域では、イナゴやシロアリが長い間食材として親しまれています。
  2. アジア地域での昆虫利用
    • タイやカンボジアなどの東南アジア諸国では、昆虫はストリートフードとしても人気があります。特にコオロギやバッタは、揚げ物として広く食べられています。
  3. 欧米における再評価
    • 昨今、欧米では昆虫が「未来の食品」として注目されており、食用昆虫の栄養学的価値や環境への貢献が評価されています。

昆虫食の概要

昆虫食には、以下のような利点と課題があります。

利点:
  • 栄養価の高さ
    昆虫はタンパク質、ビタミン、ミネラルが豊富で、特に必須アミノ酸が含まれています。
  • 低環境負荷
    昆虫の飼育には、水や飼料が少なくて済み、温室効果ガスの排出量も畜産業に比べて大幅に低いとされています。
  • 効率的な生産
    飼育にかかる面積が少なく、成長スピードが速いため、効率的な食品供給源として期待されています。
課題:
  • 文化的なハードル
    昆虫を食べる文化がない地域では、心理的な抵抗が根強く残っています。
  • 規制と安全性
    食品としての安全基準や規制の整備が進んでいない地域もあり、衛生面での課題があります。

食用コオロギの可能性

食用昆虫の中でも、コオロギは特に注目されています。その理由は以下の通りです。

  1. 高い栄養価
    コオロギは、牛肉や鶏肉と比較しても高タンパクで、オメガ3脂肪酸や食物繊維も豊富です。また、ビタミンB12や鉄分、亜鉛も多く含まれています。
  2. 環境への配慮
    • コオロギ1kgを生産するのに必要な水の量は、牛肉の1/12程度です。
    • 飼料転換効率も優れており、同じ量の飼料で得られるタンパク質量は他の家畜を大きく上回ります。
  3. 食品産業への応用
    食用コオロギは、粉末状に加工され、プロテインバーやスナック、パスタなどさまざまな食品に活用されています。特にヨーロッパや北米の健康志向の消費者の間で人気が高まっています。

日本の食用コオロギ関連企業

企業名概要
TAKEO2014年創業の昆虫食専門企業。コオロギパスタやタガメサイダーなど、ユニークな商品を展開しています。
BugMo2018年設立の京都の企業。コオロギパウダーを使用したプロテインバーを製造・販売しています。
昆虫食のentomo2017年に法人化。クラウドファンディングで「いもむしゴロゴロカレー」などのユニークな商品を発表しています。
Ellie2018年創業のスタートアップ企業。蚕の幼虫や蛹を加工したシルクフードを展開しています。
FUTURENAUT高崎経済大学発のベンチャー。コオロギパウダーを使用したゴーフレットなどを販売しています。
株式会社MNH2017年からコオロギを使ったスナック商品を展開。手頃な価格で提供しています。
ODD FUTUREコオロギパウダーを配合したコーヒーを開発・販売しているスタートアップ企業です。
BugsFarm昆虫食の大手通販店。メーカーとの共同開発で「コオロギ塩」や「コオロギうどん」などの商品も開発しています。
Bugoom日本サプリメントフーズ株式会社のブランド。スタイリッシュな昆虫食商品を展開しています。

世界の食用コオロギ関連企業

企業名概要
EXOアメリカのコオロギ食品最大手。コオロギプロテインバーなどが主力商品です。
Eat Grubイギリスの先進的食品ブランド。プロテインバーやコオロギスナックを展開しています。
Six Foodsアメリカのスタートアップ企業。コオロギを使用したチップス「CHIRPS」を販売しています。
Entomo Farmsカナダの企業。コオロギを主にした食品を製造・販売しています。
JR UNIQUE (Thailand Unique)タイの企業。食用昆虫そのものを販売しており、Amazonなどでも購入可能です。
Critter Bittersコオロギから抽出したエッセンスを商品化しているユニークな企業です。
Crickéイギリスのコオロギ食品大手。コオロギを原料にしたチップスを販売しています。

未来の食品としての期待

国連食糧農業機関(FAO)は、昆虫を「未来の食品」と位置づけ、食料不足や環境問題の解決策として推奨しています。日本でも、コオロギを活用した食品が徐々に認知されてきていますが、普及には消費者教育や規制の整備が重要です。

食用コオロギを通じて昆虫食の未来を考えることは、持続可能な社会を構築する第一歩です。これからの食品選択肢として、私たちの生活にどのように取り入れていくか注目が集まっています。


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